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相続手続き(死後)

親が亡くなったらやること全リスト|死亡後の手続きを期限順に整理

公開日 2026年8月16日 ・ 更新日 2026年8月24日 ・ 10分で読めます

親を亡くした直後にこのページを開いている方へ。まず、すべてを完璧にやろうとしなくて大丈夫です。手続きは全部で90前後ありますが、期限が厳格で影響が大きいものは一部です。この記事は、看取りの直後から葬儀・役所・年金・口座・公共料金の名義変更まで、子の立場でやることを時系列に並べた全リストです。該当するものだけ、上から順に確認してください。

最初に押さえる期限は1つだけ——3か月以内の相続放棄(親に借金があるかもしれない場合の生命線)です。相続税10か月・登記3年など全期限の詳細は「相続手続きの期限一覧」に任せ、この記事は「今日から数か月、遺族が実際に何をするか」に絞ります。

この記事の要点

①当日〜7日は葬儀と死亡届が中心。死亡診断書のコピーは10部確保 ②銀行への連絡は引き落とし契約の整理をしてから。当面の資金は保険金と仮払い制度で ③3か月以内の相続放棄だけは取り返しがつかない期限。財産と借金の調査を最優先に

全体マップ:亡くなった日からのタイムライン

親が亡くなってからのタイムライン。当日から7日は葬儀と死亡届、14日までに役所手続き、落ち着いたら口座と名義変更、3か月以内に相続放棄の判断図1:この4区分を順に進めれば、致命的な失敗は避けられます。 親が亡くなったら——やることタイムライン 当日〜7日 葬儀・死亡届 火葬許可 〜14日 年金の受給停止 健康・介護保険 世帯主変更 落ち着いたら 口座凍結への対応 公共料金の名義変更 保険金の請求 3か月以内 財産と借金の調査 相続放棄の判断 赤枠は特に重要。以降の期限は期限一覧の記事へ
図1:この4区分を順に進めれば、致命的な失敗は避けられます。

当日〜7日以内:看取り直後・葬儀・死亡届

亡くなった当日は、悲しむ時間もないまま決めることが続きます。この段階の実務のほとんどは葬儀社が伴走してくれます。無理に気丈にふるまう必要はありません。

□ 死亡診断書(死体検案書)を受け取る:何度も使うのでコピーを10部程度確保
□ 葬儀社を決め、通夜・葬儀の日程と形式を決める:立替払いは領収書を保管(葬儀費用は誰が払う?)
□ 死亡届の提出(7日以内・市区町村役場):葬儀社が代行してくれることが大半
□ 火葬許可申請:死亡届と同時に。埋葬許可証は納骨で必要になるので厳重保管

この時期にやってはいけないこと口座からの引き出し・遺品の処分・遺言書の開封はトラブルの種。「親が亡くなった直後にやってはいけない7つのこと」を先に一読してください。

10〜14日以内:年金・保険・世帯の役所手続き

葬儀が終わったら、役所と年金の届出です。死亡診断書のコピー・戸籍・本人確認書類をひとまとめにして出かけると1日で回れます。

□ 年金の受給停止(厚生年金10日以内・国民年金14日以内):遅れると過払い分の返還が発生。未支給年金は遺族が請求できます(死亡後の年金手続き)
□ 健康保険の資格喪失手続き(14日以内目安)・保険証の返却。葬祭費・埋葬料(数万円)の申請も同時に
□ 介護保険の資格喪失届(14日以内)
□ 世帯主変更届(14日以内・残る世帯員が2人以上の場合)

父が亡くなり母が残された場合は、遺族年金の請求など配偶者固有の手続きが加わります。「夫が亡くなったら妻がやること」を母と一緒に確認してください。

落ち着いたら:口座凍結への対応と名義変更・解約

銀行口座はいつ凍結される?

役所に死亡届を出しても銀行には通知されません。口座が凍結されるのは、家族からの連絡などで銀行が死亡を把握したときです(口座はいつ凍結される?)。凍結後は入出金・引き落としがすべて止まるため、銀行へ連絡する前に、親の口座から引き落とされている契約の支払方法を変更しておくのが鉄則です。

□ 電気・ガス・水道:名義変更(住み続ける場合)または解約
□ 携帯電話・固定電話・インターネット:解約または承継(解約金は免除が多い)
□ NHK・新聞・サブスク:名義変更または解約(デジタルのIDは「デジタル遺品の整理」へ)
□ 自動車:相続による名義変更が必要(車の名義変更)
□ 生命保険金の請求:受取人固有の権利で凍結と無関係。通常1週間程度で支払われるため最優先で請求を
□ 金融機関への連絡(上記の準備を整えてから)

当面のお金は、遺産分割前でも単独で引き出せる仮払い制度で。上限は「口座残高×1/3×法定相続分」かつ1金融機関150万円です(死亡後の預金の引き出し方)。

3か月以内:相続放棄の判断【最重要期限】

親に借金・保証債務があるか不明な場合、相続放棄(家庭裁判所への申述)の期限は「相続を知ってから3か月」。この期限だけは過ぎると原則取り返しがつきません。

□ 財産と負債の調査:財産目録に書き出す(財産目録の書き方・財産の調べ方)。借入は信用情報機関への開示請求で確認
□ 負債が上回りそうなら、相続放棄(相続放棄を自分でやる方法)や限定承認を家庭裁判所へ(3か月以内)

注意検討中は親の預金を使ったり財産を処分したりしない——相続を承認したとみなされ(法定単純承認)、放棄できなくなるおそれがあります。

調査の受け皿に、財産目録を無料で作成——1枚に書き出せば、放棄の判断も家族との共有も迷いません。

財産目録をつくる

その後の手続きと、家族で分担するコツ

3か月の先には、準確定申告(4か月)、遺産分割と相続税の申告(10か月・基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人の数)、実家の名義変更=相続登記(3年・自分でやる方法)、葬祭費の請求(2年)などが続きます。各期限の詳細と落とし穴は「相続手続きの期限一覧」の一枚図へ。誰も住まなくなる実家は「実家の相続どうする?」へ。

乗り切るコツは3つ。①死亡診断書のコピーと戸籍一式を最初にまとめて確保(全手続きの共通部品)。②提出先が3か所以上なら法定相続情報一覧図を先に取る(戸籍の束の使い回しが不要に)。③1冊のノートに「連絡先・提出書類・担当」を記録——兄弟姉妹で担当を分けたときの情報共有にもなり、揉めごとを防ぎます。

二次相続と、残された親の認知症への備え

今回の相続を終えたら、次に来るのは残された親の相続(二次相続)と、その前に訪れがちな認知症による資産凍結です。一次相続での分け方は、二次相続の税額まで変えます(「二次相続とは」)。残された親が元気なうちに、預金や自宅を家族が動かせる家族信託の検討を——設計の考え方は「配偶者が認知症のときの相続」で解説しています。

よくある質問(FAQ)

手続きは誰がやるのですか?長男・喪主がやるべき?

法律上の決まりはなく、通常は同居家族や動ける子が代表で進めます。ただし相続放棄は各相続人が自分で判断・申述するもの、遺産分割協議は相続人全員の参加が必須です。兄弟姉妹がいるなら担当を分け、記録をノートで共有すると揉めにくくなります。

葬儀費用は親の口座から出していいですか?

凍結前の引き出しや仮払い制度の利用は可能ですが、必ず領収書を保管し、出金記録を残してください。後の遺産分割で「使途不明金」と扱われるのが典型的なトラブルです。相続放棄の可能性がある場合は、親の財産からの支出自体を控えてください(放棄できなくなるおそれ)。

父が亡くなり、母は健在です。何か違いはありますか?

流れは本記事のとおりですが、母には遺族年金の請求・健康保険の切り替え・自宅の名義など、配偶者固有の手続きと生活設計の判断が加わります。子が本記事の実務を分担しつつ、配偶者固有の部分は「夫が亡くなったら妻がやること」を母と一緒に確認するのがおすすめです。

全部自分でやるのは無理そうです。どこを専門家に頼むべき?

優先順位は、①相続税がかかりそう→税理士、②不動産の登記→司法書士、③相続人間で揉めている→弁護士、です(相続の相談はどこへ?)。逆に、役所の届出・年金・保険・名義変更・協議書の作成(争いがない場合)は自分でできる範囲です。迷ったら、取り返しがつかない期限のものから相談を。

まとめ:完璧を目指さず、順番に

親が亡くなったら、当日〜7日は葬儀と死亡届、14日までに年金・保険・世帯の届出、落ち着いたら口座と名義変更、3か月以内に相続放棄の判断——この順番だけ守れば大丈夫です。銀行への連絡は引き落とし契約の整理をしてから。当面の資金は保険金請求と仮払い制度で。該当するものだけ、上から順に。それで十分です。

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参考にした一次情報・公的資料

本記事の記述は、以下の法令・官公庁・公的機関の公表資料にもとづいています。制度や手数料は改正されることがあるため、最新の内容は各リンク先でご確認ください。

ご利用にあたって:本記事は一般的な制度解説であり、個別の事情に応じた法的・税務的助言を行うものではありません。年金・保険の届出期限や相続税の計算は個別の事情により異なります。税理士・司法書士・弁護士等へご相談のうえ手続きを進めてください。(本文中の情報は2026年8月時点にもとづきます)