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家の名義変更(相続登記)を自分でやる方法|必要書類・費用・申請の5ステップ

公開日 2026年8月18日 ・ 更新日 2026年8月24日 ・ 7分で読めます

親から相続した「家(土地・建物)の名義変更」——その正式名称は相続登記です。やるべきことはこの記事の5ステップがすべてです。結論:相続人が少なく、争いがなく、権利関係がシンプルなら、自分で申請できます。実費は登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)+書類代数千円のみです。

相続による不動産の名義変更は2024年から義務化され、正当な理由なく3年放置すると過料の対象です(相続登記の義務化)。司法書士に頼むと報酬5〜15万円程度——「自分でできないの?」と思った方のための実践ガイドです。親の存命中に名義を移す方法は「親から子へ家の名義を移す4つの方法」へ。

この記事の要点

①家の名義変更=相続登記。争いなし・少人数・物件シンプルなら自分で申請でき、実費は評価額×0.4%+数千円 ②手順は「戸籍→協議書→税計算→申請書→法務局」の5ステップ、期間は1〜2か月 ③免税措置は申請書への条文記載が条件。数次相続などの難案件は専門家へ

自分でできるケース・やめたほうがいいケース

自分で可能:①相続人が配偶者と子など少人数で全員連絡が取れる ②遺産分割の合意ができている(または遺言・法定相続分どおり) ③不動産が自宅など1〜2件 ④平日に動ける(郵送でも可)

専門家に頼むべきケース①数次相続(数次相続)で関係者が多い ②相続人に行方不明・海外在住・認知症・未成年がいる(行方不明・海外在住・認知症・未成年) ③戸籍が戦前まで遡り読めない ④抵当権や共有持分が絡む(抵当権付き不動産) ⑤売却の期限が迫っている——司法書士報酬は「失敗できない案件の保険料」と考えてください。

名義変更5ステップと必要書類一覧

家の名義変更(相続登記)の5ステップ。戸籍収集、遺産分割協議書、評価証明と税計算、申請書作成、法務局へ提出の順に進む流れ図図1:全体像。書類集め1〜3週間+審査1〜2週間が標準です。 家の名義変更(相続登記)5ステップ ① 戸籍等を集める 出生〜死亡の連続戸籍ほか ② 協議書を作る 全員の実印+印鑑証明書 ③ 評価証明と税計算 登録免許税=評価額×0.4% ④ 申請書を作る 法務局サイトの様式を利用 ⑤ 管轄法務局へ提出 窓口・郵送・オンライン 審査1〜2週間で完了・全体の目安1〜2か月
図1:全体像。書類集め1〜3週間+審査1〜2週間が標準です。
必要書類入手先・ポイント
戸籍・住民票関係被相続人の出生〜死亡の連続戸籍+住民票の除票、相続人全員の現在戸籍、取得者の住民票
遺産分割協議書全員の実印+印鑑証明書つき(法定相続分どおり・遺言による場合は不要)
固定資産評価証明書ほか不動産所在地の市区町村で取得。相続関係説明図を添付すると戸籍原本の還付可

ステップ①:戸籍等を集める(1〜3週間)

必要な戸籍は上の表のとおりです。集め方は「戸籍の集め方」を参照。直系なら広域交付(戸籍の広域交付)で最寄りの役所にまとめて請求できます。銀行手続きも控えているなら法定相続情報一覧図を作っておくと戸籍の束の持ち回りが不要です。

ステップ②:遺産分割協議書を作る

法定相続分と異なる分け方をするなら、相続人全員が実印を押した遺産分割協議書+全員の印鑑証明書が必要です(遺産分割協議書の書き方・ツールで無料作成可)。遺言がある場合は遺言書(自筆なら検認済みのもの、または法務局保管の証明)で代替します。

ステップ③:評価証明書を取り、登録免許税を計算する

不動産所在地の市区町村(都税事務所)で固定資産評価証明書を取得します。登録免許税=固定資産税評価額(1,000円未満切捨て)×0.4%、算出額の100円未満は切捨てです。例:評価額1,850万円→税額7万4,000円。

ステップ④:登記申請書を作る

法務局サイトの「不動産登記の申請書様式」ページに、相続パターン別の様式と記載例があります。記載の要点は、登記の目的「所有権移転」/原因「令和◯年◯月◯日相続」(=死亡日)/課税価格と登録免許税/不動産の表示(登記事項証明書のとおり一言一句正確に)。協議書・戸籍と申請書の氏名・住所の表記ゆれは補正(差し戻し)の最多原因です。添付書類に相続関係説明図を付けると戸籍原本の還付を受けられます(協議書等もコピー添付で還付可)。

ステップ⑤:管轄法務局へ提出する

提出先は不動産の所在地を管轄する法務局(最寄りではなく所在地管轄。法務局サイトで検索)。窓口・郵送・オンラインのいずれでも申請でき、登録免許税は収入印紙を申請書に貼付します。審査はおおむね1〜2週間で、不備があれば補正の連絡が来ます。完了すると登記識別情報通知(新しい権利証)が交付されます——厳重に保管を。

費用はいくら?登録免許税+実費の早見表

費用項目金額のめやす
登録免許税(実費・必須)固定資産税評価額×0.4%。例:評価額1,850万円→7万4,000円
書類の実費戸籍・評価証明・登記事項証明など3,000〜5,000円程度+郵送費
免税になる場合①評価額100万円以下の土地 ②死亡した相続人名義への登記——は登録免許税が免税(適用期限あり)
司法書士に依頼する場合報酬5〜15万円程度が加算

例:評価額2,000万円の自宅を自分で登記→総額8万5,000円前後がめやすです。免税措置は、申請書に根拠条文を書かないと適用されません。小さな山林・私道持分がある方は要確認です。

添付する協議書を、無料で作成——画面のステップに沿って入力するだけです(登録不要)。

遺産分割協議書をつくる

心強い味方:法務局の「手続案内」

各法務局で予約制の手続案内(1回20分程度・無料)が受けられます。書き上げた申請書のセルフチェックに最適ですが、個別の法律判断や書類の作成代行はしてもらえません。「作ってから確認してもらう」使い方が正解です。

登記完了後は、固定資産税の納税通知の宛先が翌年度に切り替わるかを確認しましょう。売却を考えているなら「相続不動産売却の税金」もどうぞ。

よくある質問(FAQ)

全部でいくら・どれくらいの期間かかりますか?

実費は登録免許税(評価額×0.4%)+戸籍等の書類代3,000〜5,000円程度。評価額2,000万円の自宅なら総額8万5,000円前後です。期間は書類集めに1〜3週間、申請から完了まで1〜2週間、合計1〜2か月が標準です。平日に動けなくても郵送・広域交付の併用で対応できます。

家の名義変更をしないまま放置するとどうなりますか?

2024年からの義務化により、相続を知って3年以内に登記しないと正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象です。さらに名義が故人のままでは売却も担保設定もできず、放置中に相続人が亡くなると関係者が増えて手続きが難化します。「相続人申告登記」も含め、詳しくは「相続登記の義務化」をご覧ください。

オンライン申請はおすすめですか?

一般の方には条件つきでおすすめです。完全オンラインには専用ソフトとマイナンバーカードの電子署名が必要でハードルが高く、初めての方は書面申請(窓口か郵送)が結局早いことが多いです。迷ったら書面で確実に、が本記事の推奨です。

母が既に亡くなった父名義の家を、今回の母の相続でまとめて登記できますか?

できる場合があります(数次相続)。父→母→子と順に2回の登記が原則ですが、一定の場合は中間の登記を省略できる扱いや、死亡した相続人名義への登記の免税措置が使えることがあります。ただしこの類型は遺産分割協議書の書き方に技術を要する難所の筆頭です。1回で通したいなら、司法書士への依頼を推奨します。

まとめ

争いなし・少人数・物件シンプルなら、家の名義変更(相続登記)は自分でできます。実費は評価額×0.4%+数千円、期間は1〜2か月。手順は「戸籍→協議書→税計算→申請書→法務局」の5ステップです。免税措置は申請書への条文記載が条件、表記ゆれが補正の最多原因——この2点だけは提出前に必ず見直してください。数次相続などの難案件は専門家へ。手続案内は「作ってから確認」に使うのがコツです。

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参考にした一次情報・公的資料

本記事の記述は、以下の法令・官公庁・公的機関の公表資料にもとづいています。制度や手数料は改正されることがあるため、最新の内容は各リンク先でご確認ください。

ご利用にあたって:本記事は一般的な制度解説であり、個別の事情に応じた法的・税務的助言を行うものではありません。登録免許税の税率・免税措置には適用期限や条件があります。個別のケースについては司法書士・税理士等へご相談のうえ手続きを進めてください。(本文中の情報は2026年8月時点にもとづきます)