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成年後見の申立て方法|流れ・必要書類・費用・期間と、申立て前に必ず確認すべきこと

公開日 2026年8月16日 ・ 更新日 2026年8月16日 ・ 10分で読めます

親の口座が凍結された、施設との契約が必要、不動産を売らなければならない――本人の判断能力が失われた後の正攻法が、家庭裁判所への成年後見(法定後見)の申立てです。この記事は、申立てを決めた(決めつつある)方のための実務ガイドです。

ただし、手続きに入る前に1つだけ最終確認をさせてください。成年後見は後見人を家族が選べず(裁判所が選任)、原則として本人が亡くなるまでやめられず、専門職が就けば月2〜6万円程度の報酬が続きます。もし親御さんに契約内容を理解できる判断能力がまだ残っているなら、家族信託・任意後見という選択肢が先です。それを踏まえたうえで、以下、申立ての実務です。

申立ての流れ:4ステップ

成年後見(法定後見)申立ての流れを準備・申立て・審理・審判開始の4ステップで示す図
図:成年後見(法定後見)申立ての流れ。申立て前に、本当に後見しかないかを必ず確認してください。

① 準備:診断書と本人情報シート

  • 診断書は家庭裁判所の指定書式で医師に依頼します(裁判所サイトからダウンロード。かかりつけ医で可・精神科に限りません。文書料は数千円程度)
  • 本人情報シート:ケアマネジャー・施設職員など福祉関係者に日常の様子を記載してもらい、診断書とセットで医師に渡す運用です。まずケアマネに相談すると段取りが早いです
  • 診断書の内容で後見・保佐・補助の3類型(判断能力の程度による)の見立てが決まります

② 申立て:書類と費用

  • 申立先:本人の住所地を管轄する家庭裁判所。申立てできるのは本人・配偶者・四親等内の親族・市区町村長など
  • 主な書類:申立書一式(裁判所書式)・診断書・本人情報シート・戸籍謄本・住民票・財産目録と資料(通帳コピー・不動産資料)・収支予定表・親族の同意書(意向照会を省略できる場合あり)
  • 費用:収入印紙800円(保佐・補助で代理権等を付ける場合は追加)+郵便切手数千円+登記印紙2,600円。判断能力の判定に鑑定が行われる場合は5〜10万円程度が別途(実施されるのは一部のケースです)

③ 審理:面接・照会・(場合により)鑑定

裁判所参与員等との面接(申立人・後見人候補者)、親族への意向照会、本人調査が行われます。候補者を立てても選ばれるとは限らないこと、財産が大きい・親族間に対立がある場合は専門職後見人や後見監督人が付きやすいことは、この段階までに理解しておいてください。

④ 審判・開始

申立てから審判まで1〜3か月程度が目安。審判確定後、後見の内容が法務局に登記され、後見人は登記事項証明書を使って銀行・施設等での手続きを始めます。開始後は、裁判所への初回報告(財産目録等)と年1回の定期報告が続きます。

急ぎの支払いがある場合

開始まで数か月かかるため、銀行への個別相談(医療・介護費の直接支払い)を並行してください。また申立ては、原則として審判前に取り下げできません(裁判所の許可制)。「凍結解除だけして辞める」はできない前提で判断を。

後見人の報酬:誰に・いくら

項目目安
家族が後見人の場合無報酬で行う例が多いが、裁判所に報酬付与を申し立てることも可能
専門職後見人の基本報酬月2万円程度〜。管理財産が1,000万円超で月3〜4万円、5,000万円超で月5〜6万円程度が目安(裁判所の運用による)
付加報酬不動産売却・遺産分割など特別な事務を行った場合に加算
支払い本人の財産から。原則、本人の死亡まで毎年続く
報酬額は裁判所の運用により変動します。個別事案は管轄の家庭裁判所にご確認ください。
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よくある質問(FAQ)

申立ては自分でできますか?専門家に頼むといくら?

本人・親族による申立ては十分可能です(書類は多いが書式と記載例が整っています)。司法書士・弁護士に書類作成〜申立てを依頼する場合の報酬は10〜20万円程度が目安です。

後見・保佐・補助はどう違いますか?

判断能力の低下の程度で、後見(常に欠く)>保佐(著しく不十分)>補助(不十分)の3類型です。保佐・補助では本人の同意や、付与する代理権・同意権の設計が関わります。診断書の記載が出発点になります。

親族の同意が取れない兄弟がいます。申立てできますか?

できます。全員の同意は要件ではなく、裁判所が意向照会等で調整します。ただし対立があると専門職後見人が選ばれやすくなるのが実務です。

本人が施設で、住所地が遠方です。

管轄は住民票上の住所地が基本です。移送や郵送・オンラインでの対応可否を含め、管轄の家庭裁判所後見係に事前に電話確認するのが確実です。

まとめ

  • 流れは、診断書(家裁書式)+本人情報シート→申立て→審理→審判で1〜3か月
  • 費用は実費数千円+登記印紙2,600円、鑑定があれば5〜10万円。専門職報酬は月2〜6万円が本人死亡まで
  • 後見人は選べず、原則やめられない。急ぎの支払いは銀行への個別相談を並行
  • 判断能力が残っているなら、申立ての前に信託・任意後見の可能性を必ず確認

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。

ご利用にあたって:本記事は一般的な情報提供です。報酬額・鑑定の要否・書式は裁判所の運用によります。最新は管轄の家庭裁判所にご確認ください。なお成年後見制度は見直しの議論が進んでおり、今後運用が変わる可能性があります(本文中の情報は2026年8月時点にもとづきます)。