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遺言執行者とは?役割・権限・誰がなれるか・就任したら最初にやること(就職通知書つき)

公開日 2026年8月16日 ・ 更新日 2026年8月16日 ・ 10分で読めます

遺言執行者(いごんしっこうしゃ)は、遺言の内容を実現するために手続きを行う責任者です。この記事を読んでいる方は、おそらく次のどちらかでしょう。

  • これから遺言を書く方:「執行者って指定したほうがいいの?」
  • 遺言で執行者に指定された方:「自分は何をすればいいの?」

両方に先に答えます。書く方へ――執行者の指定は強くおすすめします。指定があるだけで、死後の手続きの負担が劇的に軽くなります。指定された方へ――最初にやるべきことは、相続人全員への就任の通知(就職通知書の送付)です。これは民法上の義務であり、その後のすべての手続きの起点になります。

遺言執行者とは:遺言を「実行する」ための単独権限を持つ人

遺言書は、書いただけでは実現しません。預金の解約、不動産の名義変更、株式の移管――誰かが手を動かす必要があります。遺言執行者は、この実行を遺言者に代わって行う人で、法律上、遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を持ちます(民法1012条)。

執行者がいると何が変わるか

遺言執行者の仕事を就任の通知・財産の調査・遺言の実行・完了の報告の4段階で示す図。執行者がいると相続人全員の実印を集めずに単独で手続きできる
図:遺言執行者の仕事 ― 就任から完了まで。就職通知は民法上の義務であり、相続人との無用な対立を防ぐ最初の一歩です。
  • 執行者がいる場合:預金の解約・払戻しなどを執行者が単独で手続きできる。相続人全員の署名・実印・印鑑証明を毎回集める必要がない
  • 執行者がいない場合:金融機関ごとに相続人全員の書類を求められることが多く、相続人の一人が非協力的なだけで手続きが停滞する
  • さらに、遺言に反する相続人の勝手な処分(不動産の売却等)を防ぐ法的効果もある(執行者がいる場合、相続人による処分行為は無効とされます)

特に、①相続人の仲に不安がある、②相続人が多い・遠方、③相続人以外への遺贈がある、④子の認知など執行者が必須の事項がある場合は、指定の価値が非常に大きくなります。

誰がなれる?指定の方法と報酬

  • なれる人:未成年者と破産者以外なら誰でも。相続人自身(例:長男)でも、受遺者でも、司法書士・弁護士・信託銀行などの専門家・法人でもOK
  • 指定の方法:遺言書の中で指定するのが基本(文例:「遺言者は、本遺言の遺言執行者として長男〇〇を指定する」)。指定がない場合、相続開始後に家庭裁判所へ選任を申し立てることもできます
  • 報酬:遺言で定めるのが明確(家族なら無報酬の例も多い)。専門家に頼む場合の相場は財産額の0.5〜2%程度または30万円〜など事務所により様々。定めがなければ家庭裁判所が決めます
  • 予備の指定:執行者が先に亡くなる場合に備え、予備的な執行者も指定しておくと万全です

遺言を書く方へ:執行者の指定と予備の指定は、当サイトの遺言書 無料作成ツールのステップに含まれています。指定の一文を入れるだけで、遺されるご家族の手続き負担が大きく変わります。

【指定された方へ】就任したらやること:実務の5ステップ

ステップ① 就任するか決める(辞退もできる)

指定されても就任は義務ではありません。負担が重いと感じたら辞退できます(相続人等から就任するか催告された場合、期間内に確答しないと承諾とみなされるため、辞退するなら早めに意思表示を)。就任する場合は、以降の手続きに進みます。

ステップ② 相続人全員へ就任を通知する(就職通知書)――法律上の義務

遺言執行者は、任務を開始したときは遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければなりません(民法1007条2項)。実務では、就職通知書という書面に遺言書の写しを添えて、相続人全員へ郵送します。

この通知は、単なる義務の履行以上の意味を持ちます。「誰が・どんな権限で・何をするのか」を最初に明示することが、相続人の不信や「勝手に進めている」という反発を防ぐ最大の予防策だからです。通知書に書く内容は、①遺言書の存在と自分が執行者に指定されたこと、②就任した旨、③遺言の内容(写し添付)、④今後の進め方と連絡先、です。

当サイトの遺言執行者 就職通知書 無料作成ツールなら、必要事項を入力するだけで、この4点を満たした通知書が完成します(登録不要)。相続人の人数分をまとめて印刷できます。

ステップ③ 財産を調査し、財産目録を作成・交付する

遺言執行者には財産目録を作成して相続人に交付する義務があります(民法1011条)。預金の残高証明、不動産の登記事項証明書等を集めて目録化します(財産目録ツールが使えます)。

ステップ④ 遺言の内容を実行する

  • 預貯金:金融機関に遺言書(保管制度の証明書または検認済みのもの)・就任を証する書面・本人確認書類等を提出し、解約・払戻し・分配
  • 不動産:「相続させる」遺言の場合の登記申請(司法書士への依頼が現実的)
  • 株式・投資信託:証券会社での移管手続き
  • 遺贈:受遺者への引渡し・登記

ステップ⑤ 完了を報告する

すべての執行が終わったら、執行内容と収支を相続人へ報告して任務終了です。執行中に受け取った書類・記録は一式保管しておきましょう。

執行者の注意点:中立義務と責任

  • 執行者は「遺言者の意思の実現」のために動く中立の立場。自分も相続人である場合ほど、記録と報告の透明性が重要
  • 善管注意義務を負い、怠って損害を出せば賠償責任もあり得る。難しい判断(不動産の換価・遺留分請求への対応等)は専門家に相談を
  • 執行者の復任:必要に応じて第三者(司法書士等)に任務を委任することが認められています。登記など専門的な部分だけ外注する運用が現実的
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執行者に就任した方は就職通知書 無料作成ツールと財産目録ツールを。これから遺言を書く方は遺言書 無料作成ツールで執行者指定込みの下書きを。いずれも登録不要・無料です。

よくある質問(FAQ)

遺言執行者の指定がない遺言は無効ですか?

無効ではありません。遺言自体は有効で、相続人全員で手続きするか、家庭裁判所に執行者の選任を申し立てることになります。ただし手続き負担は確実に重くなります。

執行者に指定されたことは、いつ知らされるのですか?

制度上の自動通知はありません。遺言者が生前に伝えておくか、法務局保管制度の死亡時通知を執行者宛てに設定しておくのが確実です。書く側の配慮ポイントです。

相続人の一人が遺言に不満を持っています。執行を止められますか?

遺言が有効である限り、相続人の反対で執行が止まることはありません(それが執行者制度の意義です)。ただし遺留分侵害額請求は別途あり得るため、争いの気配があれば弁護士に相談してください。

執行にかかった実費は誰の負担ですか?

執行費用(交通費・書類取得費・専門家費用等)は相続財産の負担とされています。領収書を保管し、報告時に清算します。

まとめ

  • 遺言執行者は、遺言を単独権限で実現する責任者。指定があるだけで死後の手続きが劇的に軽くなる
  • 書く側:執行者+予備の指定を遺言に一文入れる。伝え方(死亡時通知)まで設計する
  • 指定された側:最初の仕事は就職通知書の送付(法律上の義務・信頼の起点)
  • 財産目録の交付と完了報告まで、透明性が執行者を守る

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。

ご利用にあたって:本記事は一般的な情報提供です。執行中の法的判断は弁護士・司法書士にご相談ください(本文中の情報は2026年8月時点にもとづきます)。