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相続発生後

死亡後の電気・ガス・水道|名義変更と解約の判断

公開日 2026年9月11日 ・ 更新日 2026年9月11日 ・ 8分で読めます

親が亡くなった後の実家。電気もガスも水道も、契約は自動では終わりません。そして意外な落とし穴が、解約よりも先にあります——引き落とし口座の凍結で、料金が未納になっていくのです。

公共料金の手続きは、実は電話一本で進む簡単なものが大半です。難しいのは手続きではなく「残すか、止めるか」「何を先にやるか」の判断。この記事はその判断基準から解説します。世帯主が亡くなった場合の住民票の手続きは「世帯主変更届の出し方」をどうぞ。

この記事の要点

①最優先は解約ではなく「支払方法の変更」。故人の口座が凍結されると引き落とし不能になり、未納・督促、最悪は停止につながる ②名義変更・解約は電話やネットで完結するのが通例。電気・ガスは契約中の小売会社へ、水道は自治体の水道局へ連絡する ③誰も住まない家でも、電気(防犯・片付けの照明)と水道(掃除・通水)は当面残すのが実務的。ガスは使わないなら閉栓が安全 ④死亡日までの未払い分は相続債務として精算する。NHKやネット回線・新聞などの契約も同じタイミングで棚卸しする

最優先は「支払方法の変更」——凍結で未納になる前に

金融機関が死亡を把握すると、故人の口座は凍結され、公共料金の引き落としも止まります(仕組みは「死亡で口座はいつ凍結される?」)。すると起きるのは、未納→督促状→最終的には供給停止という流れ。誰かが住んでいる家でこれが起きると生活に直結します。

だから順番はこうです。①支払方法を遺族の口座やクレジットカード、払込票に変更する ②そのうえで名義変更か解約かを決める。支払いの器を先に確保しておけば、残りの判断は落ち着いてできます。

名義変更と解約——連絡先と流れ

契約連絡先手続きのめやす
電気契約中の電力会社(検針票・請求書に記載)電話・ネットで名義変更または解約。死亡による変更でも戸籍等は不要が通例
ガス契約中のガス会社名義変更・解約は電話で。閉栓は訪問作業になる場合あり。開栓の再開時は立ち会いが必要
水道自治体の水道局(上下水道)電話・ネットで使用者変更または中止。自治体ごとに窓口が異なる
連絡先のめやす(2026年8月時点)。契約先が分からないときは、検針票・請求書・通帳の引き落とし名から特定できます。

手続き自体は10分の電話です。誰が引き継ぐか決まっているなら名義変更、誰も使わないなら解約——ただし解約の判断は、次の基準を見てからにしてください。

残す?止める?——空き家の判断基準

「誰も住まないなら全部解約」は早計です。実家が当面空き家になる場合、片付け・売却準備・法事での出入りが続くからです。

  • 電気——残す——遺品整理の照明・掃除機、防犯(タイマー照明)、夏場の作業に必須。ブレーカーだけ落として帰る運用で基本料金を抑えられます
  • 水道——残す——掃除・トイレ・草木の水やりに使うほか、長期間使わない配管は定期的な通水が傷み防止になります。寒冷地は冬の凍結対策(水抜き)も忘れずに
  • ガス——止めてよい——片付けでガスを使う場面は少なく、閉栓しておくほうが安全です。再開時は開栓の立ち会いで戻せます

片付けが終わり売却や解体が決まった段階で、電気・水道も解約する——これが標準の流れです。空き家管理全体の注意は「実家を空き家のまま放置するリスク」で解説しています。

未払い分の扱いと、あわせて見直す契約

死亡日までの未払い料金は故人の債務=相続債務として、相続財産から精算するのが原則です(相続放棄を検討している場合は、支払う前に取り扱いを確認してください)。死亡日以降の分は、実際に使っている相続人の負担と整理すると、後の精算がもめません。領収書と請求書は保管を。

そして公共料金の連絡をするこのタイミングは、固定契約をまとめて棚卸しする絶好の機会です。NHK・ネット回線・固定電話・新聞・宅配・警備——引き落とし記録を上から順に見て、止めるものは止める(「死亡後の手続きチェックリスト」)。こうした死後の解約・精算を家族に頼めるよう生前に決めておくのが、死後事務委任という備えです。

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よくある質問(FAQ)

死亡による名義変更に、戸籍や相続の書類は必要ですか?

電気・ガス・水道の名義変更や解約は、電話やネットの連絡だけで完結し、戸籍等の書類提出を求められないのが通例です(2026年8月時点)。契約者が亡くなった旨と、新しい契約者・支払方法を伝えれば足ります。銀行や不動産のような相続手続きとは重さがまったく違うので、身構えずに早めに連絡してください。ただし取り扱いは会社・自治体により異なるため、案内に沿って進めれば確実です。

しばらく誰も住みませんが、電気と水道の基本料金がもったいないです。

気持ちは分かりますが、月数千円の基本料金は「空き家の管理コスト」と割り切ることをおすすめします。電気がないと片付けの照明も掃除機も使えず、防犯照明も置けません。水道がないと掃除もトイレも使えず、通水しない配管は傷みやすくなります。解約→再開には手間(水道の開栓、ガスは立ち会い)もかかります。片付けと売却方針が固まるまでは残し、出口が決まったら解約——の二段構えが結局は安上がりです。

故人の口座から引き落とされ続けています。そのままでいいですか?

そのままにしない方が安全です。金融機関が死亡を把握した時点で口座は凍結され、ある日突然引き落としが止まって未納が発生します。また、故人の口座から死亡後の料金(相続人が使った分)が引かれ続けると、後の遺産分割や相続税の計算で精算がややこしくなります。早めに支払方法を遺族名義に切り替え、死亡日までの分と以後の分を分けて管理してください。凍結前の引き落としを当てにした運用は、いつか必ず破綻します。

賃貸に住んでいた親が亡くなりました。ライフラインはどうすれば?

退去日から逆算して段取りします。大家・管理会社に連絡して退去日を決め、部屋の片付けが終わる日まで電気・水道を残し、退去日に合わせて解約します(ガスは早めに閉栓で問題ありません)。日割り精算の可否は各社の扱いによります。あわせて、賃貸契約自体の解約・原状回復・敷金の精算は相続人が行う手続きです。未払い家賃や原状回復費は相続債務になるため、相続放棄を検討する場合は片付けや処分に着手する前に専門家へ相談してください。

まとめ

死亡後の公共料金は、解約より先に「支払方法の変更」——口座凍結による未納を防ぐのが第一手です。手続き自体は電話で完結する軽さですが、判断には基準があります。空き家でも電気と水道は片付け・防犯・配管のために残し、ガスは閉栓。未払い分は相続債務として精算し、NHKやネット回線もこの機会に棚卸しを。「全部止める」は早計、「全部放置」は未納への道——残す・止める・切り替えるを分けて進めてください。

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。

ご利用にあたって:本記事は一般的な情報提供であり、法律・税務の個別助言を行うものではありません。各社・各自治体の手続きや取り扱いは変更されることがあります。実行にあたっては各窓口や専門家にご確認ください。(本文中の情報は2026年8月時点にもとづきます)