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相続税の税理士費用|報酬の内訳と失敗しない選び方

公開日 2026年9月11日 ・ 更新日 2026年9月11日 ・ 9分で読めます

相続税申告の税理士費用は「遺産総額の0.5〜1%程度」——この数字は広く知られています。ところが実際の見積りには、基本報酬のほかに「土地1か所につき」「相続人1人増えるごとに」と加算が並び、想定より高くなることが珍しくありません。

この記事は、その「1%の中身」を分解します。士業ごとの比較は「相続を専門家に頼む費用の相場」、自分で申告できるかの判断は「相続税申告は自分でできる?」に譲り、税理士費用がどう決まり、どう読み、どう選ぶかに絞ります。

この記事の要点

①税理士費用は「基本報酬+加算報酬」で決まる。基本報酬は遺産総額の0.5〜1%程度がめやすだが、遺産総額の定義は事務所ごとに異なる ②加算の代表は、土地の評価(1か所ごと)・相続人の人数・非上場株式・期限まで余裕がない場合の割増。ここで総額が数十万円変わる ③見積りでは含まれる範囲と遺産総額の基準を確認し、資料と財産の一覧を自分で整えて安くする ④選ぶ基準は安さより、申告件数・土地評価の実績・書面添付への対応・二次相続まで見た提案。税理士報酬は債務控除にならない

税理士費用の仕組み——「基本報酬+加算報酬」で決まる

相続税申告の税理士報酬は、ほとんどの事務所が「基本報酬」と「加算報酬」の二段構えです。基本報酬は遺産総額に応じた段階制で、めやすは0.5〜1%程度。遺産総額8,000万円なら40万〜80万円といった幅です。

注意したいのが「遺産総額」の定義です。小規模宅地等の特例で評価を下げる前か後か、借入金や葬式費用を差し引く前か後か——事務所によって基準が違い、同じ「0.8%」でも請求額は変わります。「特例適用前・債務控除前」を基準にする事務所が多く、その場合、特例で税額がゼロになる家でも報酬は発生します。驚かないよう、基準を最初に聞いてください。

加算される項目——総額が数十万円変わるポイント

加算項目めやすなぜ加算されるか
土地の評価1か所につき5万〜10万円程度路線価・形状・利用状況の調査が要る。最も総額に効く
相続人の人数2人目以降、1人につき基本報酬の10%程度按分計算・申告書の枚数・連絡調整が増える
非上場株式(自社株)1社につき15万〜30万円程度決算書から株価を算定する専門作業
申告期限まで3か月未満基本報酬の20〜50%程度の割増短期間で評価・分割・申告を仕上げる負担
書面添付制度の利用3万〜10万円程度税理士が申告内容の確認書面を添付。税務調査の省略につながる
準確定申告・延納物納の申請別途数万〜十数万円相続税申告とは別の手続き
相続税申告でよくある加算項目(2026年8月時点のめやす。事務所により大きく異なる)。

土地が3か所、相続人が4人、期限まで2か月——という家では、加算だけで基本報酬に匹敵することがあります。逆に土地と相続人が少なく期限に余裕があれば、「1%」よりかなり安く収まるのが普通です。

見積りの読み方と安くする方法

見積りで確認するのは次の3点です。

  • 何が含まれているか——財産評価・分割の助言・申告書作成・添付書類まで一式か。「協議書の作成は別料金」「戸籍収集は別」は珍しくありません
  • 遺産総額の計算基準——前節のとおり。基準が異なる2社の見積りは、率だけを比べても意味がありません
  • 追加が発生する条件——途中で財産が見つかった場合、協議が長引いた場合の扱い

費用を抑えるコツは、率の値切りではなく税理士の作業を減らすこと戸籍・残高証明・固定資産税の課税明細・保険証券を自分で集め、財産の一覧(財産目録)を作ってから相談すると、調査時間が減る分、見積りは下がります。財産目録は申告の土台であり、費用を下げる道具でもあります。なお、税理士報酬は相続税の計算で差し引ける債務・葬式費用には当たらないため、この費用が税額を下げることはありません。

失敗しない税理士の選び方——安さで選ぶ落とし穴

相続税申告は税理士の中でも経験差が大きい分野です。法人税中心の事務所では年に1〜2件ということもあり、土地評価で減額できる要素(不整形・間口が狭い・道路に接していない等)を取り逃すと、報酬の差額をはるかに超える税金を余分に払うことになります。安さで選んで損をするのはここです。

  • 相続税申告の年間件数——数十件以上が一つのめやす。相続専門の事務所は件数を公開していることが多い
  • 土地評価の実績——現地調査を行うか、評価減の適用例を説明できるか
  • 書面添付制度への対応——申告内容に責任を持つ姿勢の表れ。税務調査の確率も下がる傾向
  • 二次相続まで見た提案——配偶者にどこまで取得させるかで次の相続の税額が変わります。二回分の合計で考える事務所を
  • 報酬の明朗さ——加算項目と基準を最初に文書で示すか

2〜3か所から見積りを取り、上の項目を同じ質問で聞き比べるだけで、費用と質の両方で失敗しにくくなります。

税理士に相談する前に、財産の一覧を整えませんか——預貯金・不動産・有価証券・保険・借入金を書き出した財産目録があれば、見積りは正確に、費用は安くなります。画面のステップに沿って無料でつくれます。

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よくある質問(FAQ)

税理士費用は相続人の誰が払うのですか?相続財産から出せますか?

依頼した人が払うのが原則です。実務では相続人全員の合意のもと、相続財産から支払う、または取得割合で分担することが多く、遺産分割協議書に一項入れておくともめません。一人だけが依頼して他の人が「頼んでいない」と主張する事態を避けるため、誰が依頼し誰が払うかを最初に全員で決めてください。なお税理士報酬は債務控除の対象ではなく、相続財産から払っても税額は変わりません。

遺産が基礎控除を少し超える程度です。それでも税理士に頼むべきですか?

税額がわずかな家では、税理士費用のほうが税額より高くなることがあります。預貯金中心で土地が自宅1か所、相続人が少なく、特例を使わないなら自分で申告する選択も現実的です。一方、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減で税額をゼロにする場合は申告そのものが要件で、判断を誤ると特例が使えません。費用がかかっても税理士に確認してもらう価値があります。迷うなら見積りだけ取って比べてください。

見積りより高い請求が来ました。断れますか?

契約時に加算の条件が文書で示されていれば、その範囲の請求は基本的に支払う必要があります。逆に事前の説明にない項目や根拠の示されない増額は、内訳の説明を求めて構いません。途中で財産が見つかった等の事情があれば増額は正当ですが、「何が理由でいくら」の説明があるべきです。依頼時に「見積り額を超える場合は事前に連絡する」と契約書に入れておくのが確実です。

申告が終わった後、別の税理士に見直しを頼めますか?

頼めます。相続税は土地の評価次第で変わるため、申告後に別の税理士が評価を見直し、払いすぎがあれば「更正の請求」で還付を受けることは実際に行われています(「相続税を払いすぎたかも」)。請求は申告期限から5年以内で、費用は還付額に応じた成功報酬型が多いようです。ただし税額が増える方向の誤りが見つかれば修正申告が必要になります。その可能性も承知のうえで進めてください。

まとめ

相続税の税理士費用は「基本報酬(遺産総額の0.5〜1%程度)+加算報酬」で決まり、土地の数・相続人の数・非上場株・期限までの余裕で大きく動きます。見積りでは含まれる範囲と遺産総額の基準を確認し、財産目録を自分で整えて作業を減らす。選ぶときは安さより申告件数・土地評価の実績・書面添付・二次相続まで見た提案を聞き比べる。費用の差より税額の差のほうが大きい——これが税理士選びの本質です。

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

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