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相続発生後

外国人の配偶者・子がいる相続|準拠法・戸籍がない相続人の証明・税と在留資格

公開日 2026年9月11日 ・ 更新日 2026年9月11日 ・ 9分で読めます

日本人の夫が亡くなり、妻は外国籍——亡くなった人が日本人なら日本の法律で相続が決まり、外国人の相続人も同じ権利を持ちます。ただし戸籍がなく、証明する書類が違います。

準拠法、戸籍がない相続人の証明書類、相続税と登記、在留資格、亡くなった人が外国人だった場合を整理します。相続人が日本人で海外に住んでいる場合は「海外在住の相続人がいる相続手続き」をどうぞ。

この記事の要点

①相続は「亡くなった人の本国法」で決まる。日本人が亡くなれば、相続人が外国人でも日本の民法で相続人・相続分・遺留分が決まり、権利は日本人と同じ ②外国人には戸籍がないため、本国の出生証明・婚姻証明と日本語訳、署名証明(宣誓供述書)で証明する。日本人側の戸籍の婚姻の記載も証明になる ③相続税は国籍を問わず同じで、日本に住む外国人配偶者は配偶者の税額軽減も使える。登記も可能 ④日本人の配偶者を亡くした外国人配偶者は、14日以内に届出、6か月以内に「定住者」などへの在留資格の変更が必要

どの国の法律で決まるか——「亡くなった人の本国法」

日本のルールは「相続は被相続人の本国法による」です。

亡くなった人適用される法律
日本人日本の民法。相続人が外国人でも、相続人の範囲・法定相続分・遺留分はすべて日本の民法で決まる
外国人本国の法律が原則。本国の法律が「住所地の法律による」と定めていれば日本の民法(反致)
相続の準拠法(2026年8月時点)。

日本人の夫が亡くなり妻が外国籍でも、妻は配偶者として2分の1の法定相続分と遺留分を持ちます。国籍で相続分が減ることはありません(「相続人は誰?範囲・順位・法定相続分」)。問題は権利ではなく「証明」です。

戸籍がない相続人の証明書類——出生証明・婚姻証明・宣誓供述書

日本の相続手続きは戸籍を前提に組み立てられています。外国人には戸籍がないため、本国の公的書類で証明する必要があります。

証明したいこと使う書類(日本語訳を添付)
配偶者であること日本人側の戸籍の婚姻の記載と、本国の婚姻証明書
子であること本国の出生証明書。日本人の親の戸籍に子の記載があればそれも
本人確認・住所パスポート、在留カード、住民票。海外在住なら本国の住所証明
印鑑証明書の代わり日本に住民登録があれば印鑑登録。なければ在外公館や本国の公証人の署名証明(宣誓供述書)
外国人相続人の証明書類(2026年8月時点。金融機関・法務局により追加書類あり)。

翻訳は翻訳者の氏名と「原本と相違ない」旨の記載を求められます。窓口ごとに求める書類が違い、事前確認なしでは何度も本国の書類を取り寄せることになります。手続きの前に各窓口に確認してください(「相続手続きの印鑑証明書」)。

相続税・相続登記——外国人でも扱いは同じ

相続税——国籍は関係なく、日本に住む外国人配偶者は配偶者の税額軽減を日本人と同じように使えます(「相続税の配偶者の税額軽減」)。基礎控除の人数にも含めます。海外に住む外国人相続人は、故人と相続人の双方が一定期間日本に住所を持たない場合、国内財産だけが課税対象になることがあります。判定は複雑なので税理士に依頼してください(「海外に資産がある人の相続」)。

相続登記——外国人も相続して登記できます。住所証明は住民票か本国の住所証明書と翻訳、氏名はカタカナまたはローマ字で登記します。

外国人配偶者の在留資格と、亡くなった人が外国人だった場合

外国人配偶者の在留資格——「日本人の配偶者等」の在留資格は、配偶者の死亡で前提を失います。

  1. 14日以内に届出——出入国在留管理庁に配偶者の死亡を届け出る
  2. 6か月以内に在留資格を変更——過ぎると取り消され得る。婚姻期間や子の養育に応じて「定住者」への変更が一般的
  3. 相続手続きと並行する——収入や住居の証明が要るため、相続で取得する財産や遺族年金が判断材料になる

在留資格は相続の専門家の範囲外です。行政書士(入管業務)や出入国在留管理庁に早めに相談してください。

亡くなった人が外国人だった場合——本国の法律で相続人と相続分を確認します。国によって配偶者の権利や遺言の方式、裁判所の関与が違い、本国法が「住所地の法律による」と定めていれば日本の民法です。国際相続を扱う弁護士に相談してください。日本の財産の手続きでは、準拠法の証明として本国の法律の資料を求められることがあります。

外国人の相続人がいるなら、証明書類の一覧を財産目録に添えて——相続人ごとの国籍・住所・必要書類と、財産の一覧を書き出せば、各窓口への確認が一度で済みます。財産目録の下書きを画面のステップに沿って無料でつくれます。

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よくある質問(FAQ)

夫が日本人、私は外国籍で日本に住んでいます。相続で不利になりますか?

なりません。夫が日本人なら日本の民法で相続が決まり、法定相続分も遺留分も日本人と同じです。配偶者の税額軽減も使えます。印鑑証明書は住民登録があれば印鑑登録をして取れ、夫の戸籍に婚姻の記載があるため証明も比較的簡単です。在留資格の変更は相続と別に6か月以内に。

海外に住む外国籍の子がいます。連絡が取れず、遺産分割ができません。

外国籍でも相続人なので参加が必要です。連絡先を探し、相続の発生と協議の内容を伝え、署名証明付きの同意書を送り返してもらう形が一般的です。所在が全くわからなければ不在者財産管理人の選任を申し立てます(「相続人が行方不明で遺産分割できない」)。除外した協議は無効です。

外国人の相続人に、日本の銀行は預金を払い出してくれますか?

払い出します。相続人であることの証明、本人確認書類、署名証明を揃えれば応じます。海外口座への送金は、国内口座への払戻しに限る金融機関もあり、代表相続人の口座を経由することもあります。事前に「外国籍・海外在住の相続人がいる」と伝え、必要書類と払戻し方法を確認してください。

日本に住む外国人の父が亡くなりました。日本の法律で相続できますか?

原則は父の本国法ですが、本国の法律が「住所地の法律による」と定めていれば日本の民法が適用されます。まず父の国籍国の相続法を確認し、国際相続に詳しい弁護士に相談してください。相続税は、父が日本に住んでいたなら全世界の財産が対象です。

まとめ

相続は「亡くなった人の本国法」で決まり、日本人が亡くなれば相続人が外国人でも日本の民法で権利は日本人と同じです。困るのは証明——戸籍のない外国人相続人は、本国の出生証明・婚姻証明と翻訳、署名証明(宣誓供述書)で相続人であることを示す。相続税は国籍を問わず同じで配偶者の税額軽減も使え、登記も可能。日本人の配偶者を亡くした外国人配偶者は、14日以内の届出と6か月以内の在留資格変更を相続と並行して。亡くなった人が外国人なら本国法の確認から始めてください。

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。

ご利用にあたって:本記事は一般的な情報提供であり、法律・税務・宗教慣習の個別助言を行うものではありません。費用や給付・取り扱いは地域・保険者・事業者により異なり、変更されることがあります。実行にあたっては各窓口や専門家にご確認ください。(本文中の情報は2026年8月時点にもとづきます)