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相続発生後

相続した古家の解体費用は誰が払う?相場・補助金・固定資産税・タイミング

公開日 2026年9月11日 ・ 更新日 2026年9月11日 ・ 9分で読めます

築50年の実家、誰も住まない。壊すしかないが——「誰が払うのか」「いくらかかるのか」「壊すと固定資産税が上がるのか」の3つの疑問が出てきます。

費用の相場、負担の決め方、補助金、固定資産税とタイミング、滅失登記と売却の特例を整理します。空き家を放置した場合のリスクは「相続した空き家を放置するとどうなる?」をどうぞ。

この記事の要点

①費用の目安は木造が坪3〜5万円、30坪で100〜150万円。庭木・塀・残置物・アスベスト調査で上乗せ。見積りは3社から ②誰が払うか:分割前は遺産から支出するか全員で法定相続分、分割後は土地の取得者、換価分割なら売却代金から控除。協議書に明記 ③自治体の除却補助は工事費の3分の1〜2分の1が多く、着工前の申請が必須 ④解体すると住宅用地の特例がなくなり翌年の固定資産税が上がる。1月1日時点で判定。解体後1か月以内に滅失登記。空き家の3,000万円控除は解体して売っても使える。相続放棄を考えているなら解体は不可

解体費用の相場と、上乗せされる要因

構造坪単価のめやす30坪の場合
木造3万〜5万円100万〜150万円
鉄骨造5万〜7万円150万〜210万円
鉄筋コンクリート造6万〜8万円180万〜240万円
解体費用の目安(2026年8月時点。地域・立地・業者で変動)。

本体のほかに、①庭木・塀・物置・浄化槽の撤去、②残置物の処分(先に遺品整理を済ませると安い)、③アスベストの事前調査(2022年以降義務化。除去が要れば数十万〜)、④重機が入れない狭い道路、⑤地中の埋設物で上乗せされます。見積りは3社以上から取り、「何が含まれているか」を揃えて比べてください。解体工事業の登録がある業者を選びます。

誰が払うか——分割前・分割後・換価分割での負担と協議書の書き方

誰が払うかは相続人の合意で決めて協議書に書くのが原則です。

  • 分割前に解体する場合——全員の同意が必要。費用は遺産から支出するか全員が法定相続分で負担。立て替えたら協議書で精算方法を明記
  • 土地を一人が取得する場合——その相続人が解体し費用も負担するのが原則。「更地にして渡す」合意なら遺産から支出する形も
  • 換価分割の場合——解体費は売却代金から差し引き、残りを分ける。協議書に「解体費用等を控除した残額を分割する」と書く

解体費は死亡後の費用なので債務控除の対象外ですが、売却時の譲渡費用として引けます。揉めるのは「解体して得をするのは誰か」が曖昧なときで、土地を取得する人・売却代金を受け取る人が負担する原則で整理してください(「換価分割とは」)。

自治体の補助金——要件と申請の順番

多くの自治体が老朽空き家の除却に補助金を出しています。

  • 補助額——工事費の3分の1〜2分の1、上限30万〜100万円程度
  • 要件——旧耐震などの築年数、現地調査で「老朽・危険」の判定、所有者の申請、税金の滞納がないこと
  • 手続きの順番——着工前の申請と交付決定が必須。先に解体すると対象外。申請から着工まで1〜2か月
  • 予算の枠——年度後半は締め切られていることがあり、年度初めに問い合わせる

市区町村の空き家対策の担当課に問い合わせてください。相続登記が済んでいないと申請できない自治体が多いため、登記を先に進めます(「相続登記の義務化とは」)。

固定資産税・滅失登記・売却の特例・放棄との関係

固定資産税——住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」で6分の1または3分の1に軽減されており、解体すると翌年の固定資産税が最大6倍になります。判定は1月1日時点。12月に解体すると翌年から上がり、1月2日以降ならその年は特例が続く——年をまたぐ解体は日程に注意を。特定空家に指定されると解体しなくても特例が外れます。

建物滅失登記——解体後1か月以内に申請する義務があります。業者の取り壊し証明書で自分でも申請できます。未登記建物なら市区町村に滅失を届け出ます(「未登記建物の相続」)。

売却の特例——空き家の3,000万円特別控除は解体して更地で売る場合も対象です。相続開始から3年目の年末までの期限から逆算してください(「相続した空き家を売るなら3,000万円特別控除」)。

相続放棄との関係——放棄を考えている人は解体してはいけません。取り壊しは相続財産の処分にあたり、放棄できなくなります。危険防止の最低限の保存行為にとどめてください。

解体費用の負担者を、協議書に一行——「解体費用は土地を取得する○○が負担する」「売却代金から控除する」と定めておけば、後の精算で揉めません。遺産分割協議書の下書きを画面のステップに沿って無料でつくれます。

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よくある質問(FAQ)

兄が「実家を壊すなら費用は全員で割ろう」と言いますが、土地は兄が相続します。

土地を取得する兄が負担するのが原則的な考え方です。更地になった土地の価値は兄のものになるため、費用も兄が持つのが公平です。「更地にして渡す」ことを全員が望み、その分を兄の取得分に反映する合意があれば、遺産から出す形もあり得ます。協議書に明記してください。

解体費用を遺産の預金から払ってよいですか?

全員が同意すれば支出できますが、凍結口座からは引き出せないため、仮払い制度か、誰かが立て替えて協議書で精算する形になります。見積書・領収書を保管し全員に共有してください。放棄を考えている相続人は、解体に同意も費用負担もしないでください。

解体すると固定資産税が6倍になるなら、壊さないほうが得ですか?

土地の固定資産税は上がります(実際は3〜4倍程度が多い)。ただし建物の分はなくなり、放置すれば特定空家で特例が外れるうえ、倒壊や火災の責任も残ります。売却や活用の予定があるなら解体する、持ち続けるなら管理しながら時期を選ぶ、が基本です。

アスベストの調査は必ず必要ですか?

2022年4月以降、80㎡以上の建物の解体では事前調査と報告が義務付けられています。調査は数万円、見つかれば除去費用が数十万〜100万円以上になることも。古い住宅では屋根材・外壁材に含まれていることがあります。見積りの段階で「調査と除去は含まれているか」を確認してください。

まとめ

相続した古家の解体費用は木造30坪で100万〜150万円が目安で、庭木・残置物・アスベストで上乗せされます。負担者は、土地を取得する相続人か、換価分割なら売却代金から控除——協議書に明記。自治体の除却補助は工事費の3分の1〜2分の1で、着工前の申請が必須。解体すると住宅用地の特例がなくなり翌年の固定資産税が上がるため、1月1日の判定を意識して時期を選び、解体後1か月以内に滅失登記を。空き家の3,000万円控除は更地で売っても使え、相続放棄を考えているなら解体は不可です。

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。

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