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生前の備え

生命保険の受取人を変更する方法|手続き・離婚後・受取人が先に死亡

公開日 2026年9月11日 ・ 更新日 2026年9月11日 ・ 8分で読めます

離婚した、受取人だった親が先に亡くなった、家族構成が変わった——受取人が古いままだと、保険金は「今の家族」ではなく「昔の指定」どおりに支払われます

変更の手続き、離婚後、受取人が先に亡くなったとき、認知症、遺言、受取人を誰にすべきかを整理します。非課税枠と受取人の税金の考え方は「生命保険の相続税非課税枠と受取人の決め方」をどうぞ。

この記事の要点

①変更は契約者が保険会社に届け出るだけで何度でもできる。被保険者が別人なら同意が必要。受取人の同意は不要 ②離婚しても受取人は自動では変わらず、元配偶者のままなら元配偶者に支払われる ③受取人が先に亡くなり変更しないままだと、保険金は受取人の法定相続人に均等に支払われる ④判断能力がなければ変更できない。遺言での変更も可能だが争いのリスクがあり、生前の変更が確実

変更の手続き——契約者が届け出るだけ、被保険者の同意

受取人の変更は契約者が保険会社に届け出るだけで成立します。変更請求書、本人確認書類、証券番号を提出し、回数の制限も手数料もありません。

  • 被保険者の同意——契約者と被保険者が別人(夫が契約者、妻が被保険者など)の場合は、被保険者の同意が必要。同一人物なら不要
  • 受取人の同意は不要——現在の受取人にも、新しい受取人にも、同意を得る必要はなく、知らせる義務もない
  • 受取人にできる人——原則として配偶者と2親等以内の血族。内縁のパートナーは審査で認められることがある。複数人を割合で指定できる

変更の効力は、保険会社が届出を受理した時点から生じます。「変えるつもりだった」では効力はなく、届け出て初めて変わる——これが次節以降のすべての問題の根源です。

離婚後に変更しないとどうなるか

離婚しても受取人は自動では変わりません。元配偶者を受取人にしたまま亡くなれば、保険金は元配偶者に支払われます。判例も元配偶者への支払いを有効としています。再婚して新しい家族がいても、変えていなければその家族は受け取れず、返還を求めることも原則できません。離婚が成立したら、財産分与や年金分割と同じ手続きの一つとして、保険の受取人変更を済ませてください。契約者が元配偶者(妻が契約者で夫が被保険者)の場合は、契約そのものの扱いを離婚時の財産分与で決める必要があります(「離婚した父・母が亡くなったら子は相続できる?」)。

受取人が先に亡くなったら——相続人に均等

受取人が被保険者より先に亡くなり、変更しないまま被保険者も亡くなると、保険金は「亡くなった受取人の法定相続人」に人数で均等に支払われます(判例)。

状況保険金の行き先
受取人=妻が先に死亡、その後に夫(被保険者)が死亡妻の法定相続人(子や、子がいなければ妻の親・兄弟姉妹)が均等に
受取人=母が先に死亡、その後に子(被保険者)が死亡母の法定相続人(母の配偶者や他の子=被保険者の父や兄弟姉妹)が均等に
受取人が先に死亡した場合の保険金の帰属(2026年8月時点)。

妻の相続人に妻の連れ子が含まれれば均等に分け、母の相続人に被保険者の兄弟姉妹が含まれることもあり、想定と違う人に渡ります。受取人の死亡を知ったら、すぐ新しい受取人を届け出てください。

認知症・遺言・税金と、受取人を誰にすべきか

認知症と変更——契約者に判断能力がなければできません。契約者代理制度でも受取人変更は認めない保険会社が多く、見直しは判断能力があるうちにしかできないと考えてください(「認知症で保険が解約できない!」)。

遺言による変更——保険法上可能ですが、相続人が保険会社に通知する前に旧受取人に支払われれば有効で、解釈の争いにもなりやすいため、生前の届出が確実です。

税金・特別受益——受取人の変更そのものに贈与税はかかりません。課税は保険金が支払われたときに、保険料を誰が負担していたかで決まります。また、特定の子だけを受取人にすると、他の子との不公平が著しい場合に特別受益に準じた持ち戻しの主張を受けることがあります(「生命保険金は遺産分割の対象になる?」)。

誰にすべきか——①非課税枠を使えるのは法定相続人だけ。孫や内縁のパートナーは枠が使えず2割加算も。②葬儀費用や納税資金、代償金を払う人を受取人にすると使い勝手がよい。③受取人が管理できないなら生命保険信託を検討。エンディングノートに保険の一覧と受取人を記録し、家族構成が変わるたびに確認してください。

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よくある質問(FAQ)

受取人を子2人に「半分ずつ」と指定できますか?

できます。「長男50%・長女50%」のように届け出ます。ただし一人が先に亡くなった場合の扱いは保険会社によって異なり、その分が他の受取人に行くのか相続人に行くのかを確認してください。子の人数が増えたときは見直しが必要です。

受取人を変えたことを、今の受取人に知られますか?

保険会社から現在の受取人に通知されることはなく、変更に同意も要りません。契約者の意思だけで変えられます。ただし、変更した後に契約者が亡くなり、旧受取人が保険会社に請求すると、そこで「受取人ではない」と告げられます。争いを避けたいなら、変更の理由を付言やエンディングノートに残しておくと、遺族が納得しやすくなります。

受取人が「法定相続人」となっています。このままでよいですか?

「法定相続人」という指定は、死亡時の法定相続人が法定相続分で受け取る、という意味になります。特定の人に多く渡したい、法定相続人以外に渡したい、といった希望がなければこのままでも構いません。ただし相続人の中に相続放棄をする人、疎遠な人、判断能力のない人がいると、請求の手続きが複雑になります。誰に渡したいかが決まっているなら、具体的な氏名で指定するほうが確実です。

契約者である夫が亡くなった後、妻が受取人を変えることはできますか?

契約者が亡くなった時点で保険事故(死亡)が発生し、保険金は指定されていた受取人に確定するため、その後の変更はできません。契約者と被保険者が別人(契約者=夫、被保険者=妻)の場合は、夫の死亡で契約が相続され、新しい契約者(妻など)になった人が受取人を変更できます。この場合、契約者変更の手続きを先に行う必要があります。

まとめ

生命保険の受取人は契約者が保険会社に届け出るだけで何度でも変更でき(被保険者が別人なら同意が要る)、届け出て初めて効力が生じます。離婚しても自動では変わらず元配偶者に支払われ、受取人が先に亡くなれば受取人の相続人に均等に渡る——想定と違う人に渡る典型です。判断能力がなくなれば変更できず、遺言による変更は争いのリスクがあるため、家族構成が変わるたびに見直し、契約の一覧と受取人をエンディングノートに残すことが、保険を「今の家族」に届ける方法です。

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

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ご利用にあたって:本記事は一般的な情報提供であり、法律・税務・宗教慣習の個別助言を行うものではありません。費用や給付・取り扱いは地域・保険者・事業者により異なり、変更されることがあります。実行にあたっては各窓口や専門家にご確認ください。(本文中の情報は2026年8月時点にもとづきます)