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介護のおむつ代を軽くする2つの制度

公開日 2026年9月11日 ・ 更新日 2026年9月11日 ・ 8分で読めます

介護の家計簿で、地味に重いのがおむつ代です。月数千円から1万円超、年間なら10万円規模になる家庭も珍しくありません。しかもこの出費、終わりが見えにくい。

知っておいてほしいのは、おむつ代が「軽減できる費用」だということです。道は2つ——税金で取り戻す医療費控除と、現物やお金でもらう自治体の助成。介護費用の軽減策としては高額介護サービス費が有名ですが、おむつ代はその対象外だからこそ、この2つの道を知っているかどうかで差がつきます。

この記事の要点

①おむつ代は高額介護サービス費の対象外。軽減の道は「医療費控除」と「自治体の助成」の2つ ②医療費控除に入れるには、初年は医師が発行する「おむつ使用証明書」が必要。おおむね6か月以上の寝たきりと医師の治療を受けていることが条件のめやす ③2年目以降は、要介護認定の主治医意見書の内容で証明書に代えられる簡略化の仕組みがある。施設のおむつ代も、施設サービス費に含まれていれば控除対象になる場合がある ④自治体の紙おむつ支給・助成は、現物支給・購入券・現金助成など形が多様。要件も自治体ごとに違うため、まず市区町村に確認する

おむつ代は「軽減できる費用」——2つの道

軽減の道仕組み入口
①医療費控除おむつ代を医療費控除の対象に含め、確定申告で税金を減らす・取り戻す医師の「おむつ使用証明書」
②自治体の助成紙おむつの現物支給・購入券・現金助成など。要介護度や所得の要件つき市区町村の窓口
2つの道のめやす(2026年8月時点)。併用できる場合もありますが、助成でまかなった分は控除の対象外です。

前提としてひとつ注意を。おむつ代は介護保険の給付対象ではなく、高額介護サービス費の払い戻し対象にもなりません。だからこそ、この2つの道が実質的な軽減策のすべてです。

道①医療費控除——おむつ使用証明書が鍵

おむつ代は、レシートを集めるだけでは医療費控除に入れられません。医師が発行する「おむつ使用証明書」が必要です。対象になるのは、めやすとしておおむね6か月以上寝たきりで、医師の治療を受けており、治療上おむつの使用が必要と認められる場合。証明書の用紙は病院や市区町村・税務署で入手でき、文書料(数千円程度のことが多い)は病院ごとに異なります。

申告の実務は3点セットです。①証明書 ②おむつ購入のレシート・領収書(1年分) ③確定申告。ほかの医療費や介護サービスの医療費控除分とまとめて申告します(対象範囲の全体像は「介護費用は医療費控除の対象になる?」)。レシートは家族が買った分も対象にできるので、購入担当を決めてレシートを1か所に集める運用にしておくと申告がラクです。

2年目以降の簡略化と、施設の場合

毎年証明書を取り直すのは負担ですが、簡略化の仕組みがあります。2年目以降は、要介護認定の際の主治医意見書に「寝たきり」「尿失禁の可能性」などの記載があれば、その内容の確認書類で証明書に代えられる取り扱いです。市区町村が意見書の記載内容の確認書を発行してくれるのが一般的なので、2年目からは病院ではなく市区町村に相談してください(文書料の節約にもなります)。

施設に入所している場合はどうか。特養や老健などで、おむつ代が施設サービス費に含まれて請求されている場合、その分は医療費控除の対象に含まれる扱いが一般的です(施設が発行する領収書に医療費控除対象額が記載されます)。一方、施設で実費として別建て請求されるおむつ代の扱いは施設の種類によって異なるため、領収書の記載と施設への確認が確実です。

道②自治体の紙おむつ支給・助成

多くの市区町村が、在宅で介護を受ける高齢者向けに紙おむつの支給・助成事業を行っています。形は自治体によりさまざまです。

  • 現物支給——毎月、指定のおむつが自宅に配送される
  • 購入券・引換券——月額上限つきの券で、取扱店で好きな製品と交換
  • 現金助成・償還払い——購入額の一部を後から助成

要件も「要介護3以上」「住民税非課税世帯」「在宅介護であること」など自治体ごとに異なり、申請しなければ始まらない点はどの自治体も共通です。窓口は市区町村の高齢福祉課、相談はケアマネジャーや地域包括支援センターでも可能。おむつの購入・立て替え・助成の受け取りを誰が担うか——親のお金まわりの分担を決めて記録する体制も、あわせて整えておきましょう。

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よくある質問(FAQ)

おむつ使用証明書は、どの医師に頼めばいいですか?

治療を受けている主治医(かかりつけ医)に依頼するのが基本です。証明書は「治療上おむつの使用が必要」であることを医師が証明する書類なので、日頃の状態を知る医師でなければ書けません。用紙は病院に備え付けがあるほか、市区町村や税務署の様式も使えます。文書料は病院ごとに異なり数千円程度が多いめやすです。受診のついでに依頼し、レシートは1年分まとめて確定申告へ——この流れを毎年のルーティンにしてください。

要介護認定を受けていれば、証明書なしで控除できますか?

初年は原則、証明書が必要です。要介護認定と医療費控除は別の制度だからです。ただし2年目以降は、要介護認定の主治医意見書に寝たきりや尿失禁に関する所定の記載があれば、市区町村が発行する確認書類で証明書に代えられる簡略化があります。つまり「1年目は医師の証明書、2年目からは市区町村の確認書類」が実務の型です。意見書の記載内容が要件を満たすかは市区町村の介護保険担当課で確認できます。

自治体の助成でもらったおむつ代も、医療費控除に入れられますか?

入れられません。医療費控除の対象になるのは実際に自己負担した金額だけで、助成や現物支給でまかなわれた分は差し引く必要があります。たとえば月1万円分使い、購入券で5千円分をまかなったなら、控除対象は自己負担の5千円分です。2つの制度は併用自体は可能なので、「まず助成を受け、残った自己負担を医療費控除へ」という順番で使うのが最も負担が軽くなる組み合わせです。

家族が代わりに買ったおむつ代も対象になりますか?

なります。医療費控除は生計を一にする家族が支払った医療費を、支払った人の申告でまとめて控除できる仕組みです。離れて暮らす子が通販で親のおむつを買って送っている場合も、生計を一にしていれば対象にできます。ポイントはレシート・注文履歴を残すことと、家族の中で「誰の申告に載せるか」を決めておくこと。所得の高い人の申告に集めるほうが減税効果は大きくなります。他の医療費・介護費とあわせて設計してください。

まとめ

おむつ代は高額介護サービス費の対象外だからこそ、2つの道で軽くする費用です。道①は医療費控除——初年は医師のおむつ使用証明書、2年目以降は主治医意見書ベースの簡略化。施設の請求に含まれる分も対象になり得ます。道②は自治体の紙おむつ支給・助成——形も要件も自治体ごとなので、まず市区町村へ。どちらも申請しなければ1円も戻りません。レシート集めと担当決めを仕組みにして、年10万円規模の出費を確実に軽くしてください。

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この記事の監修

ゾウゾクグループ

長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。

ご利用にあたって:本記事は一般的な情報提供であり、医療・介護・法律・税務の個別助言を行うものではありません。制度の内容や控除額・自己負担額は所得区分・お住まいの自治体・年度改定により異なります。実行にあたっては市区町村の窓口や税務署、専門家にご確認ください。(本文中の情報は2026年8月時点にもとづきます)