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訪問介護でできること・頼めないこと一覧
「ついでに庭の草むしりもお願いできますか」「主人の分もまとめて作ってもらえたら」——訪問介護の現場で、ヘルパーが最も答えにくいのがこの種の頼みごとです。断られるのはヘルパーの意地悪ではなく、制度の線引きがあるからです。
訪問介護は介護保険のサービスであり、「本人の生活の自立を支える」目的の範囲に限られます。この記事では、頼めること・頼めないことを一覧で整理し、同居家族がいる場合の重要ルールと、線の外を頼む現実的な方法まで解説します。
①訪問介護は「身体介護」(食事・入浴・排せつの介助など)と「生活援助」(本人のための調理・掃除・買い物など)の2本柱 ②頼めないのは、本人以外のための家事、日常の範囲を超える作業(大掃除・庭の手入れ・ペットの世話)、医療行為など。介護保険の目的の外だから ③同居家族がいる場合、生活援助は原則使えない。ただし家族が就労・病気・要介護などのやむを得ない事情があれば認められることがある ④線の外は自費サービスや家事代行で頼める。買い物代行のお金の受け渡しは記録が命
訪問介護の2本柱——身体介護と生活援助
| 種類 | 内容の例 |
|---|---|
| 身体介護 | 食事の介助/入浴・清拭/排せつ介助・おむつ交換/着替え/体位変換/通院時の乗り降りの介助/服薬の声かけ・確認 |
| 生活援助 | 本人の食事の調理/本人の部屋の掃除/洗濯/日用品・食材の買い物/ゴミ出し/ベッドまわりの整頓 |
どちらを・週に何回入れるかは、ケアマネジャーが作るケアプランで決まります(「ケアマネジャーの選び方・変え方」)。ヘルパーは「プランに書かれたこと」を行う仕組みなので、頼みたいことがあるときの相談先は、現場のヘルパーではなくケアマネジャーです。
頼めないこと一覧——なぜダメなのか
- 本人以外のための家事——家族の食事づくり・家族の部屋の掃除・来客対応。介護保険は本人のためのサービスだからです
- 日常の範囲を超える作業——大掃除・窓拭き・床のワックスがけ・庭の草むしり・植木の手入れ・家具の移動・大工仕事。「日常的な家事」の範囲外とされています
- ペットの世話——散歩・餌やりは対象外です
- 医療行為——インスリン注射・床ずれの処置などは訪問看護の領域。たんの吸引などは研修を受けたヘルパーが一定条件で行える例外があります
- お金や貴重品の管理——預金の引き出しの代行や高額な買い物は頼めません
「それくらい良いのに」と感じる線引きもありますが、線が曖昧になるとヘルパー個人の善意に依存し、事故やトラブルの温床になる——だから制度で線を引いている、と理解してください。
同居家族がいると生活援助は原則使えない
見落とされがちな重要ルールです。同居している家族がいる場合、生活援助(調理・掃除・買い物)は原則として利用できません。「家事は家族ができる」という前提だからです。身体介護は同居家族がいても利用できます。
ただし例外があります。同居家族が仕事で日中不在・病気や障害がある・高齢で家事が困難・介護疲れが深刻など、やむを得ない事情があると市区町村やケアマネジャーが認めれば、生活援助が入れられることがあります。判断は自治体ごとに差があるため、「同居だから無理」と自己判断せず、事情をケアマネジャーに具体的に伝えて相談してください。老老介護の世帯はまさにこの例外の典型です。
線の外を頼む方法と、お金の受け渡しのルール
草むしりも大掃除もペットの世話も、頼む方法はあります。介護保険の外で頼むのです。
- 自費(保険外)サービス——訪問介護事業所の多くが、保険外の自費メニューを持っています。同じ顔なじみのヘルパーに頼める安心感が利点です
- 家事代行・シルバー人材センター——庭の手入れや大掃除は、地域のシルバー人材センターが安価な受け皿になります
- 自治体の高齢者サービス——ゴミ出し支援や配食など、独自サービスを持つ自治体もあります。地域包括支援センターで一覧を聞けます
最後にお金の話。買い物代行では現金の受け渡しが発生します。事業所は預り金とレシート・お釣りの記録を徹底しますが、家族側も残高の動きを把握しておくと安心です。親のお金の管理を家族が担う体制(口座・記録・任される範囲)を整えておくと、ヘルパー・家族・本人の三者ともトラブルから守られます(「親の預金から介護費用を払うには?」)。
親のお金の「任され方」、書面になっていますか——買い物用の現金・引き落とし口座・支払いの権限。財産管理等委任契約書で範囲を明確にすれば、家族もヘルパーも安心して動けます。無料・登録不要です。
財産管理等委任契約書をつくるよくある質問(FAQ)
ヘルパーさんに直接「これもお願い」と頼んではいけないのですか?
その場の追加依頼は、ヘルパーを困らせてしまいます。ヘルパーはケアプランと訪問介護計画に書かれた内容を行う仕組みで、現場判断で範囲を広げることができないからです。頼みたいことが出てきたら、ケアマネジャーに伝えてプランの見直しを相談するのが正しいルートです。プランに入れられない内容なら、同じ事業所の自費サービスで頼めないかも合わせて聞いてみてください。ルートを守ることが、結局いちばん早く実現します。
一人暮らしの親の「安否確認だけ」を頼むことはできますか?
安否確認そのものを目的とした訪問は、介護保険の訪問介護では原則頼めません。ただし、生活援助や身体介護で定期的にヘルパーが入っていれば、結果として見守りの目になります。純粋な見守りが目的なら、自治体の見守りサービス・配食サービス・民間の見守り契約などが受け皿です。離れて暮らす家族の見守り体制の組み立ては、遠距離介護の記事や見守り契約の記事も参考にしてください。
同居していますが、私も仕事でほとんど家にいません。生活援助は無理でしょうか?
あきらめないでください。同居家族がいる場合の生活援助は「原則不可」ですが、家族が就労で日中不在、病気・障害がある、高齢で家事が困難といったやむを得ない事情があれば認められることがあります。判断は自治体とケアプランによるので、勤務時間や家庭の状況を具体的にケアマネジャーへ伝えて相談を。認められない部分は自費サービスや配食で補う組み合わせも現実的です。「無理」と自己判断して共倒れに向かうのが最悪の選択です。
買い物代行のお金は、どうやって渡すのが安全ですか?
事業所のルールに従うのが大前提です。一般的には少額の現金を封筒などで預け、レシートとお釣りをその都度受け取り、預り金の記録を双方で残す形をとります。キャッシュカードや暗証番号を渡すことは絶対に避けてください。家族側でも、買い物用の現金を家計から分けて管理し、月に一度レシートと突き合わせると、行き違いを防げます。誰がどこまで親のお金を扱うかを家族間で書面にしておくと、さらに安心です。
まとめ
訪問介護は身体介護と生活援助の2本柱で、頼めるのは「本人の日常生活」の範囲まで。家族のための家事・大掃除や庭仕事・ペットの世話・医療行為は線の外です。同居家族がいると生活援助は原則使えませんが、就労や病気などの事情があれば例外が認められ得ます——自己判断せずケアマネジャーへ。線の外は自費サービスやシルバー人材センターで頼めます。頼みごとの窓口はヘルパーではなくケアマネジャー、お金の受け渡しは記録が命。この2つを守れば、訪問介護は長く頼れる味方になります。
親のお金の管理体制を、書面にしておきませんか
買い物用の現金・引き落とし口座・家族が任される範囲。財産管理等委任契約書にしておけば、ヘルパーとのやり取りも家族間の分担も明確になります。登録不要・ブラウザだけで完結します。
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。