喪主のやることリスト|決め方・段取り・挨拶
親が亡くなり、気づけば自分が喪主——多くの人にとって初めての、そして予行演習のできない役割です。悲しむ間もなく決めごとが押し寄せますが、安心してください。喪主の仕事は「型」がほぼ決まっており、順番どおりに進めれば必ず終わります。
この記事では、喪主の決め方から時系列のやること、そして最大の不安である挨拶の型までを1本にまとめました。葬儀後の役所・相続の手続き全体は「死亡後の手続きチェックリスト」に引き継ぎます。
①喪主は法律で決まる役割ではない。慣習では配偶者→長子の順だが、実際は「動ける人・故人に近い人」が務めれば良く、複数人で分担してもよい。費用を負担する「施主」と分けることもできる ②逝去直後にやるのは、搬送先(安置場所)の決定・葬儀社への連絡・死亡診断書の受け取りの3つ。死亡診断書は各種手続きで使うためコピーを10枚ほど取っておく ③葬儀社との打合せで日程・場所・形式・費用を決め、訃報連絡の範囲を確定する。受付・会計・車の手配は親族に分担し、喪主は決断と挨拶に専念する ④挨拶は「参列への感謝・故人の人柄ひと言・今後のお願い」の3要素で1〜2分。立派に話す必要はない
喪主は誰がやる?——慣習と、実際の決め方
喪主に法律上の決まりはありません。慣習としては配偶者、次いで長男・長女が務めることが多いものの、これはあくまで目安です。実際の決め方の基準は3つ——①故人との関係が近い ②連絡・決断のために動ける ③参列者への挨拶ができる。高齢の配偶者が名目上の喪主となり、実務は子が担う「共同喪主」の形も普通に行われています。
混同しやすい言葉に「施主」があります。施主は葬儀費用を負担する人のことで、喪主と同一人物のことが多いものの、分けることもできます(例:喪主は母、施主=費用負担は長男)。費用を誰がどう負担するかは後の相続にも関わるため、「葬儀費用は誰が払う?」を早い段階で確認しておくと迷いません。
逝去直後のやること——最初の24時間
- 安置場所を決め、搬送を依頼する——病院からは数時間で退出を求められるのが実際です。自宅か葬儀社の安置施設かを決め、搬送を依頼します。病院が紹介する搬送業者にそのまま葬儀まで頼む義務はありません——搬送だけ依頼し、葬儀社は落ち着いて選べます(「葬儀社の選び方」)
- 死亡診断書を受け取り、コピーを10枚取る——原本は死亡届とともに役所へ提出しますが、保険金請求・年金・携帯解約など後の手続きで写しを何度も求められます。提出前に10枚ほどコピーを。役所への死亡届は葬儀社が代行してくれるのが一般的です(「死亡届は誰が出す?」)
- 近親者へ一報を入れる——この時点では「亡くなったこと」と「詳細は決まり次第連絡する」だけで十分。葬儀の詳細を決めてから二報を出します
葬儀までと当日——段取りと役割分担
葬儀社との打合せで決めるのは、日程(火葬場の空きから逆算)・場所・形式(一般葬/家族葬/一日葬など)・宗教者の手配・遺影・費用です。形式に迷ったら「家族葬とは?」を参考に、故人の希望(エンディングノートがあれば最優先)と参列者の顔ぶれから決めます。見積りは総額と「含まれないもの」を必ず確認してください。
そして喪主の鉄則は、全部を一人でやらないこと。受付・会計(香典の管理)・供花の並び順の確認・車の手配・親族への案内は、親族や信頼できる人に割り振ります。喪主にしかできない仕事は「決断」と「挨拶」の2つだけ——そこに力を残す分担が、良い葬儀の裏側です。当日は僧侶へのお布施の渡し忘れがないよう、袱紗に包んで控室で開式前か終了後に渡します。
喪主挨拶の型と、葬儀後のやること
挨拶は1〜2分、3つの要素で組み立てれば十分です。①参列への感謝 ②故人の人柄がわかるひと言 ③今後のお願い。例——「本日はご多用のところ、父のためにお集まりいただきありがとうございます。父は口数の少ない人でしたが、家族の記念日を誰より覚えている人でした。残された家族一同、力を合わせてまいります。今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます」。上手に話す必要はありません。紙を見ながらで構いませんし、言葉に詰まることを咎める参列者はいません。
葬儀を終えたら、喪主の仕事は後半戦に入ります。葬儀費用の精算(領収書は相続税の債務控除で使うため保管)・香典の記録とお返し・世話になった方への挨拶・四十九日と納骨の準備。そしてここから、役所・保険・相続の手続きが本格化します。全体の地図は死亡後の手続きチェックリストへ——こうした葬儀と死後の実務を生前に誰かへ託しておく仕組みが、死後事務委任です。
喪主の負担、生前の一筆で半分にできます——葬儀の希望・連絡してほしい人・費用の出どころを決めて頼んでおく死後事務委任契約書の下書きを、無料でつくれます。
死後事務委任契約書をつくるよくある質問(FAQ)
長男ですが遠方に住んでいます。近くに住む妹に喪主を頼んでも良いですか?
まったく問題ありません。喪主は法律上の義務でも長男の専任でもなく、「動ける人・故人に近い人」が務めるのが実際的です。近くに住み事情の分かる妹さんが喪主を務め、あなたが費用面(施主)や親族連絡を担う分担は、むしろ合理的な形です。大切なのは、対外的な窓口を一人に決めて葬儀社・寺院との連絡を混乱させないこと。きょうだい間で「誰が何を担うか」を最初の電話で決めてしまえば、後の運びが格段に楽になります。
喪主の挨拶がどうしても不安です。省略できますか?
短くすること、代読してもらうこと、どちらも可能です。挨拶は1分・3文でも成立します——参列への感謝、故人のひと言、今後のお願い。それでも難しければ、親族代表として別の家族に話してもらう、司会(葬儀社)に代読を頼むという方法が普通に使われています。参列者は名演説を期待していません。むしろ言葉に詰まる姿にこそ心を寄せてくれます。紙を持って読み上げる形で、どうか気負わずに臨んでください。
死亡診断書のコピーは、本当に必要ですか?何に使いますか?
必ず取ってください。原本は死亡届と一緒に役所へ提出して手元からなくなりますが、その後、生命保険金の請求・年金の手続き・携帯電話や各種契約の解約・勤務先への提出など、死亡の事実を証明する場面が続々と出てきます。役所提出後に写しが必要になった場合、死亡届の記載事項証明などの取得には手間と条件があります。提出前のコピー10枚——これだけで後の手続きの往復を大幅に減らせる、費用対効果最大のひと手間です。
葬儀の間、香典の管理はどうすればいいですか?
喪主が持たないのが鉄則です。会計係を親族から1〜2名決め、受付での受領→記録(芳名帳と金額)→保管を一本化してください。香典袋と中身の突き合わせは2人一組で行うとトラブルを防げます。集まった香典は慣習上、喪主が受け取り葬儀費用に充てるのが一般的で、記録は香典返しの手配にそのまま使えます。葬儀費用・香典の収支を1枚の記録に残しておくと、後日の親族への説明も、相続税の計算での葬式費用の控除もスムーズです。
まとめ
喪主の仕事は、型を知っていれば必ず走り切れます。決め方は慣習より「動ける人」、施主(費用負担)と分けてもよい。最初の24時間は安置先の決定・死亡診断書のコピー10枚・近親者への一報の3つ。葬儀までは打合せと連絡、当日は決断と挨拶以外を親族に分担するのが鉄則です。挨拶は感謝・人柄・お願いの3要素で1分あれば十分。葬儀後は精算・香典・法要準備から相続手続きへ——次の地図はチェックリスト記事が引き受けます。
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葬儀の形式・連絡してほしい人・費用の出どころ。死後事務委任契約書の下書きとして残しておけば、遺された人は迷わず動けます。登録不要・ブラウザだけで完結します。
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
長年にわたり相続分野で積み重ねてきた経験を活かし、zouzoku(ゾウゾク)を運営しています。相続・家族信託・終活に関する書類作成ツールと解説記事を提供しています。