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生活保護でも介護サービスは使える?介護扶助の仕組みと入れる施設
親の年金では施設費用が足りず貯金も尽きた——「生活保護を受けたら介護はどうなるのか」。結論から言えば、生活保護を受けていても介護保険のサービスは同じように使え、自己負担分は「介護扶助」でまかなわれます。
介護扶助の仕組み、保険料と自己負担、入れる施設、生活保護を申請する流れを整理します。施設費用が足りないときの確認事項は「親の施設費用が足りない」をどうぞ。
①介護サービスの費用は「介護扶助」で支給され、1割負担分が事業者に直接支払われて本人負担は実質ゼロ ②65歳以上は介護保険の被保険者のままで、保険料は生活扶助に加算。40〜64歳で医療保険未加入なら被保険者にならず、介護扶助が10割を負担 ③使えるサービスは介護保険と同じ。特養は入所でき、食費・居住費は最も低い段階。有料老人ホームは家賃が扶助の範囲を超えると難しい ④申請は住所地の福祉事務所へ。資産・収入・扶養の調査があり、子への「扶養照会」は援助できなければ断れる
介護扶助とは——1割負担分が扶助でまかなわれる
生活保護は生活扶助・住宅扶助・医療扶助など8種類の扶助で構成され、介護サービスの費用は介護扶助で支給されます。介護保険の自己負担分を福祉事務所が事業者に直接支払う仕組みで、本人が窓口でお金を払うことはありません。
対象は要介護・要支援の認定を受けた人が受ける介護保険サービス全般。ケアマネジャーがケアプランを作り、福祉事務所が「介護券」を発行して事業者に渡す流れで、本人が毎回申請書を書くわけではありません(「高額介護サービス費とは」)。
保険料と自己負担の扱い——65歳以上と「みなし2号」
| 区分 | 介護保険料 | 自己負担 |
|---|---|---|
| 65歳以上 | 被保険者のまま。保険料は生活扶助に加算して支給される | 1割負担分を介護扶助が支払う。本人負担ゼロ |
| 40〜64歳で医療保険に加入 | 医療保険料に上乗せして納める | 同上 |
| 40〜64歳で医療保険に未加入(みなし2号) | 被保険者にならず保険料なし | 介護扶助が10割を負担 |
生活保護になっても介護保険から外れるわけではありません。施設の食費・居住費は「負担限度額認定」で最も低い段階が適用され、扶助でまかなわれます。
使えるサービスと入れる施設・難しい施設
使えるサービスは介護保険と同じです。違いが出るのは「どの施設に入れるか」です。
- 特別養護老人ホーム(特養)——入所できる。費用は介護扶助と負担限度額認定で収まる。待機が長く、要介護3以上が原則(「特別養護老人ホームの申し込み方」)
- 老健・介護医療院——入所できる介護保険施設
- 養護老人ホーム——困窮した高齢者のための施設で、市区町村の措置で入所。介護度が低い人向け
- 有料老人ホーム・サ高住——原則難しい。家賃が住宅扶助と生活扶助の範囲に収まる「生活保護受け入れ可」の施設に限られる
- グループホーム——家賃が扶助の範囲に収まれば入居できる例がある
施設探しは、ケアマネジャーと福祉事務所のケースワーカーに「生活保護で入れる施設」と明示して相談するのが早道です(「老人ホームの種類と費用の違い」)。
生活保護の申請——親の介護費用が尽きたときの流れ
生活保護は「最後の手段」ですが正当な権利です。子が自分の生活を削って払い続ける前に検討してください(「親の介護費用は誰が払う?」)。
- 福祉事務所に相談・申請する——本人の住所地の福祉事務所へ。子が同行・代理で相談できる
- 資産・収入の調査——預貯金、不動産、保険、年金を調べ、活用できる資産があれば先に使うよう求められる。住んでいる自宅は原則保有できる
- 扶養照会——子など扶養義務者に援助できるかを文書で問い合わせる。援助は義務ではなく、手一杯なら「できない」と回答してよい
- 保護決定——申請から原則14日以内(最長30日)
「子がいるから受けられない」は誤解で、扶養義務者の援助は保護の要件ではなく、できる範囲で行うものです。家族の負担と親の状況を整理し、早めに相談してください。
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家族会議シートをつくるよくある質問(FAQ)
親が特養に入所中に貯金が尽きました。生活保護を受けられますか?
受けられます。特養に入所したまま申請し、介護扶助で自己負担分、生活扶助で日用品費などがまかなわれます。申請先は原則として入所前の住所地の福祉事務所です。年金は収入として認定され、不足分が支給されます。貯金が尽きる前に相談しておくと、支払いが途切れずに移行できます。
有料老人ホームに入っている親が生活保護になったら、退去しなければなりませんか?
費用が扶助の範囲に収まらなければ、住み続けることは難しく、費用の安い施設や特養への転居を求められることが多いです。施設が受け入れに応じ、費用を扶助の範囲に調整できればそのまま住み続けられることもあります。施設とケアマネジャーに相談し、福祉事務所に費用を伝えて確認してください。
扶養照会が来ました。親に援助しないといけませんか?
扶養照会は「援助できるか」を尋ねるもので、援助は強制ではなく、自分の生活を維持したうえで可能な範囲で行うものです。余裕がなければ「援助できない」と回答して構わず、親が保護を受けられなくなることはありません。事情があって親と関わりたくない場合は、その旨を福祉事務所に伝えてください。
生活保護になると、ケアマネジャーやサービス事業者は変えないといけませんか?
変える必要はありません。今のケアマネジャー・事業者を続けられます。介護券を事業者に渡す手続きが加わるだけです。事業者が生活保護法の指定を受けていることが必要ですが、ほとんどは受けています。念のためケアマネジャーに確認してください。
まとめ
生活保護を受けていても介護保険のサービスは同じように使え、1割負担分は介護扶助でまかなわれて本人負担は実質ゼロです。65歳以上は介護保険料が生活扶助に加算され、医療保険未加入の40〜64歳は介護扶助が10割を負担。特養・老健など介護保険施設は入所でき、有料老人ホームは扶助の範囲に収まる施設に限られます。親の介護費用が尽きたら、子が生活を削る前に福祉事務所へ。扶養照会は援助の強制ではなく、保護の要件でもありません。家族の負担の限界を整理し、早めに相談してください。
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この記事の監修
ゾウゾクグループ
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